【双语】結物語

结物语
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作者:西尾维新
插图:VOFAN
图源:木海
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因为很重要所以要说三遍!!!


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楼主 星期亿  发布于 2017-02-03 23:53:00 +0800 CST  
2L备用。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-03 23:53:00 +0800 CST  
3L备用(广告会插所以这里不知道是几楼)

楼主 星期亿  发布于 2017-02-03 23:54:00 +0800 CST  
001

录入 BID阿良良木海=微博ID小生木海

周防全歌(すおうぜんか)が人魚になったのは、高校一年生の頃だという。本人いわく、『人魚ではなく半魚人』らしいけれど、まあ、ここは人魚で通しておこう。それらしくクトゥルフ神話を引用するより、清楚で凜とした雰囲気の彼女には、どちらかと言えばどちらかと言うまでもなく、そちらのほうが名称として相応しいと思うから。

信号を無視して横断歩道を渡る小学生を避けようと急ハンドルを切った大型トラックに、歩行者専用道路を歩いているところを轢かれ、用水路に落下するという不運に見舞われた彼女は、全身を強く打って瀕死の重傷を負ったものの、霊験あらたかな『人魚の肉』を食べることで、一命を取り留めたのだそうだ。

食べることで不死となった彼女と、食べられることで不死となった僕とでは、ある意味好対照ではあるけれど、しかしながら、その後の人生に大きな不具合をきたしたという意味では、まったく同じだった。

何事も代償なしでは得られない。

得ることは失うことでもあり、得たものを失うことはあっても、失ったものは戻ってこない。

れが命や不死ともなると、尚更である。

将来を嘱望される水泳選手だった彼女は、それ以来、泳げなくなった一一事故の後遺症ではない。そちらは『人魚の肉』のおかげで傷ひとつ残らず、何の後還症もなく回復した。


用水路に落ちたことによる、精神的なトラウマでもない。

トラウマを負うのは一一むしろ事故後のことだった。

霊験あらたかな『人魚の肉』を食したことによる罰が当たったとでもいうのだろうか、それともこれも食中毒と言うべきだろうか、回復したのちの彼女は、水に浸かれば人魚に変身する身体となっなのだ——『人魚に変身』と聞けば、なんだかロマンテックな響きもあるけれど、ここはまあ最後まで聞いて欲しい。

要するにそれは、生命の進化を逆行するという意味だ。

ジュースをこぼして肌が濡れれば鱗がにょきによきと生えて、手を洗えば綺麗になりつつ鰭となり、お風呂に入れば両脚がびっちびっちと失われるというっそく意味だ一一肺呼吸さえ危うくなり、道端で窒息しかねないので、雨の日には外 を出歩けないくらいである。

死んだほうがマシ。

何度もそう思ったそうだ——僕がそう思ったように。

折り合いをつけるまで、相当時間がかかったと聞くが、しかしそれから十年を経て、そんな体質との付き合いかたもある程度見えてきた彼女は、今ではどうにか、
「死ぬよりはマシ」
と、そう思えるようになったそうだ。

「あのとき、信号無視をしてた小学生のほうが轢かれていればよかったのにってようやく、考えなくなったからね一一そのうち、『生きてるだけで幸せ』って、思えるようになりたいものだわ」

...…なんにせよ、ニ十六歳の女性から、そんなプライベートでデリケートな思い出を聞き出すのに、さぞかし時間がかかったことだろうと思われるかもしれないけれど、ところがさにあらず、以上はすべて、初対面のときに聞いた話である。

もちろん、お返しというわけではないけれど、こちらからも、高校二年生から高校三年生にわたる春休みに、僕がどのように吸血鬼に血を吸われ、僕がどのように吸血鬼の血を吸い返し、僕がどのように吸血鬼となったのかなり損なったのか、それをおおむねのところ、つまびらかにしている。

二十三歳の阿良々木暦が勤めることになったのは、そんなオープンな職場である。

その名を直江津署風説課(なおえつしょふうせつか)という。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-03 23:55:00 +0800 CST  
001自翻(渣翻,主要为机翻脑补润色,欢迎指教)

微博ID小生木海=BID阿良良木海

周防全歌变成人鱼,是在他高中一年级的时候的事情。据他本人说,自己是“不是人鱼的半鱼人”,不过,这其中有人鱼的成分存在着吧。这里如果引用克苏鲁神话,好像可以讲得更清楚。不过让人感到严肃的她,说那个就不用说了。不过要说哪边更合适的话,我想这是一个更适合的名称吧。

为了避开无视红绿灯的人行横道的小学生,突然切方向盘的大型卡车;在人行道上走着走着被碾轧,因为这件事落入水渠的遭遇不幸的她,全身遭受强烈的打击受到濒死的重伤,但是通过食用灵验的“美人鱼”的肉,保住了一条命。

因为“吃”成为“不死”的她,以及,因为“被吃”成为“不死”的我,在某种意义上有种微巧而鲜明的对照,但是,在那之后的人生中,有一个对于巨大问题的选择的动机,和我是完全一样的。

凡事都不能不付出代价。

即使得到的东西失了,失去的东西,也不会回来的。

人生命的消逝或不死,更是如此。

作为备受瞩望的未来的游泳选手的她,从此,在游泳时,没有了事故的后遗症。那是托“人鱼肉”的福,受到一点伤害什么的,没有什么不可以恢复的。

由于是掉进水渠,没有精神性的创伤。

负起创伤的——是事故后的事情。

灵验的“美人鱼”肉食品导致的惩罚,也可以说是,果然还是应该说这是食物中毒吧。恢复了之后的她,如果被水浸到,就会变身成为人鱼的身体——这就是所谓的“人鱼变身”。总觉得虽然说是有着浪漫主义的回响的说法,不过,这里是最后想要听到的。

总而言之,那是逆行生命的进化的意思。

果汁洒在皮肤上、皮肤被淋湿的话,鳞就会咯哩咯哩地长出来;洗手的话,手就会在洗的同时变成漂亮的鳍;洗澡的话,双脚就会哔唒哔唒地失去,类似这样的规律——所以肺呼吸都变得危险,在路边窒息也不会很难,下雨天也不会到外面闲荡。

还是死了好了。

很多次都这样想着——我想着。

虽然在交往之前,听说过了相当的时间,但是,经过了十年,也能和这种体质打好交道的她,现在总算是觉得,现在这样“比死好”,就是这样觉得了。

“「那个时候,无视信号灯的那个小学生要是被碾轧就好了」,我终于,不这样想了——其中,“活着就是幸福”,是这样想的啊。”

...…

不管怎么说,在十六岁的女性生活中,有这样私人的私密的微妙的回忆,如果想说说想必一定会要有段时间的顾虑吧。但是,这对她也并不是什么保密事项吧,既然是初次见面的时候就听她说到了。

当然,并不是说作为回礼,但是从我这边也,从高中二年级开始,高中三年级的春假,我怎么被吸血鬼吸血,我怎么把吸血鬼的血吸还给我,我怎么被吸血鬼损害的呢,大致的故事,很清楚的告诉了她。

这是二十三岁的阿良良木历在工作的时候遇到的事情,是那种的刚开始形成的工作岗位。

名为“直江津风说课(辟谣科)”。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-03 23:57:00 +0800 CST  
002-1

录入 BID阿良良木海=微博ID小生木海

「阿良々木くんはどうして警察官になろうと思ったの?」

高校生の頃は自転車を乗り回していたこともあり、自分の行動囲は結構広 いほうだと信じていたし、自分の住むこぢんまりとした町に、知らない場所な んて裏道でさえないとさえ思い込んていたけれど、こうして四年ぶりに里帰り。 をしてみると、そんなのは磁優な勘違いでさえあったと、思い知ることになった。

たとえば僕は、当時通っていた直江津高校から目と鼻の先に、こんな大きな 川が流れていることを知らなかった。

大きな川と言うか、太い川と言うか。

ラフティングだってできそうな勢いの川である一一たとえ変身体質を持つ周 防さんでなくっても、簡単な気持ちで、こんな流れに足を踏み入れようとは思えない。

その周防さんが 、

「おっと。これは失礼致しました。阿良々木警部補は、どうして警察官になろう と思ったのでありますか?」

と、おどけた調子で言い直した。

阿良々木警部補。

そのどうにも馴じまない呼称に、僕はなんとも言えない気持ちになる。そ の居心地の悪い質問にもだ。

これから先、何度それをかれるかわからないことを思うと、いやはや、ま。 だ一回目なのにうんざりする一一考えてみればおかしな話だ。自分の影に住む吸血鬼の話は、既に微に入り細をうがちしているというのに、この職を選んだ 理由を、まだ話してなかったというのだから。

「親が警察官だったからー一なんですかね。両親ともに」

「ふむふむ。それは、自分も警察官にならないと、親を越えられないって意味?
それとも、親のコネで出世できるって意味?」

からかうようなロ調だし、実際、おねーさんにからかわれているだけなのだ ろうけれど、しかし、当事者としては考えてしまう問いかけである。

前者のような殊勝な気持ちがあったとは思えないし、後者のような虫のいい 気持ちがなかったとも思えない。

志が高くはないけれど、計算高くないわけでもない……、僕はそういう奴た。 大昔、むかつく詐欺師に出会いましてね。さんざんいいようにされちゃいま して。そいつを捕まえるのが夢なんですよ。念願なんです。だから警寮官になりました」

迷った末に、僕はそう返答した。

これもまあ、嘘ではない。

ではないだけという気もするが。

「ふうん。詐欺師ね。知能犯係希望なのか——いかにもキャリアっぼいね。じゃ あ、風説課なんかに配属されて、阿良々木くんとしては大いに当てが外れたって感じ?まあたった四ヵ月の我慢よ、腐らずに頭張って」

「『なんか』なんて思ってないですよ。予想外だったのは確かですけれど。公的。 機関に、そんな部署があるなんて」

「うん、これはこれでテストケースだからね。臥煙さんの、数ある施気のたった。 ひとつよー一阿良々木警部補は大いに当てが外れたって思ってるかもしれない ナれど」

「思ってないですって」

「こっちは大いにアテにしてるわよ。真面自な話、キャリアの研修とは言ようやく入ってくれた男手だもの」

どこまで本気で言っているのかはわかりにくかったけれど、しかし、水が苦て 手な周防さんは、僕の倍くらの流れから距離を取っている 滴きえも浴ぴるものかという態度だ。いつも通りに澄ました顔をしてこそいる。 ものの、河道数において、かなりの警戒態勢である。

少なくとも今回の案件にお新入りで若手の僕を頼りにしているのは間 違いなさそうだった……、水が苦手な彼女を水辺に派遣するとは、風説課の課 長も、いい加減性格が悪い。

臥煙さんの複心というだけのことはある。

「やっばオカルトとかスピリチュアルとか、そういうロマンチックなのには女性 のほうがハマりやすいのかな、女の子ぼっかり集まっちやったからね。编りは よくないのよ。そんなわけで、阿良々木くんは遠慮せず、ハーレム状態を楽しんでってよ」

「そういうのは高校時代にやリ切リました」

周防さんは失笑し、
「わたしは臥煙さんを直接は知らないけれど、それなりの恩義はあるからね。なので、相応に見合うだけの成果を上げたいのよー一順風満帆な人生を歩んでいた阿良々木警部補には不本意かもしれないけれど、課にいる間は協力してね。一種の地元貢献だと思って」

と続けた。

地元貢献ねえ。そんな郷土愛のあるタイプでもないのだが。それに、順属満帆とも言えない。 まったく言えない。

それに、順風満帆とも言えない。

まったく言えないそばゆい肩書にしたって、国家総合職試験を通って入庁すれば、どんなアでも警部補からスタートするというだけの話だ。それに限っては、親のコネさえ必要ない。

そして、この四年間、僕が怪異現象から離れて暮らしていたなんてこともないのだ一一町を離れても、僕の影は僕にぴったりついてくるし、そしてその影は、異を引き寄せる影でもあるのだった。

当たり前にやっていたことが、仕事になるだけである。趣味が仕事になったではなく、日常が仕事になった。

直江津署風説課か。

臥煙さんも僕の住んでいた町に、どえらいもんを作ってくれたもんだ。

なんでも知っているあの人のことだから、僕が将来、警察官になることも見据えて、僕の地元の直江津署をモデルケースに選んだのかもしれないと、四年ぶりに邪推したくなってくる。

オッケー。

怪異現象の地産地消だ。

二十三歳の大人として、一生懸命、身を粉にして働くとしよう。

幸い、身を粉にするのは得意だった。リアルな意味で。
「それで一一周防さん。今回はどういう風説なんでしたっけ?この川には、どいういわくがついているんでしたっけ?僕、ちゃんと教えてもらえないまに、周防さんとペアを組めって言われたんですけど・……、詳しいことは周防んに訊けって、課長に言われました」

「タメロでいいよ?そんなに年齢差ないわけだし、階級はそっちが上だし。そちは警部補、私はヒラ巡査」

「タメロは苦手なんです。育ちがいいんで」

「笑える」

肩を竦めて、

「まあこの通り、泳げるくらいの川だからね一夏場には、家族連れのバノーベキユだったり、子供達の格好の遊び場だったりするわけよ、ここ」

と、周防さん。

「ああ、地元民の阿良々木くくんには、こんな初歩から説明することはないか?」

「いえ、説明してもらえないと困ります」

なにせ、ここに川が流れていることさえ知らなかったのだ。

残念ながら育ちのいい僕は、バーべキューに連れて行ってくれる家族や、緒に遊ぶ友達とは、無縁の子供時代を過ごしていた。

クラスのみんなは僕を置いていったいどこに行ったのかと思っていたけれど、なるほど、こういう場所で遊んでいたわけか。

成人してから知っても、どうしようもない事実だな。

「これまでのところ、特に問題らしい問題は起きていなかったんだけれど、ところがこの夏、水難事故が相次いでねー一子供が五人、溺れている」

「…………」

「明らかになっているだけで五人。実際はもっと多いかも。とりあえず死人は出ていない。今のところは」

でもーー偏りはよくないのよ、と。

その言を受けて、僕は改めて、川のほうに目をやる一一ごうごうとした水の流れは、激流や急流というほどではないけれど、しかし、絶対的な安全は、まったく保証されないだろう。

さっき周防さんは『格好の』と言っていたけれど、そうして見ると、子供の遊び場としては如何せん危険に見える。

どうなんだろう。

これは単なる『大人の視点』か?

僕がつまらない大入になったから、子供の遊びを過保護に規制しようとしてるだけか?

「それが過保護かどうかはともかく、実際、そういう動きは出ている一一この河川敷はもう。立ち入リ禁止にすべきたんじゃたいかって。近付かないよう。」

楼主 星期亿  发布于 2017-02-03 23:58:00 +0800 CST  
002-1

翻译 BID标准正交基

「阿良良木君为什么会想要成为警察呢?」

因为高中的时候经常骑着自行车兜风、所以我认为自己的行动范围是比较大的,我深信在这个自己居住的小而舒适的小镇里,不存在我不知道的地方,哪怕是一条小道。但是时隔四年再次回到小镇我才知道我大错特错了。

比如我不知道,就在与直江津高中近在咫尺的地方,有一条大河。

不知是该说是一条大河,还是该说是一条很宽的河。

水势湍急得可以用来漂流,就算不是变身体质的周防,也不会有人想要把脚踏入这河中。

「这个问题很冒昧。阿良良木警部补为什么会想要成为警察呢?」

周防半开玩笑地问我。

阿良良木警部补。

由于这个不习惯的称呼,我变得说不出话来,也有这个不舒服的提问的原因。

今后不知道还要被问多少遍这个问题,哎呀,才被问了一次就不耐烦了,真的很奇怪啊。关于住在我的影子里的吸血鬼的故事已经仔仔细细地讲过了,但是关于选择这个职业的理由,一次都没有说过。

「因为双亲都是警察」

「原来如此。自己不成为警察的话,就不能超越父母了,是这个意思吗?

还是说可以凭借父母的关系更容易上位一些?」

以一种戏弄人的口吻,实际上,就是在被大姐姐戏弄而已。但是作为当事人,这是一个让人思考的问题。

并不是像前者一样有值得称赞的志向,像后者那样的自私心理也不是没有。

既不是有大志向,也不是没有小算盘……我就是这样的人。很久以前,遇到了让人火大的诈欺师,被那人玩弄于股掌之中。抓住那家伙就是我的梦想。正是因为这样的心愿才会成为警察。

想了好久,我这样回答到。

不过,这也不算是谎言。

也是觉得正因为不是谎言。

「嗯,诈欺师啊。想去智能犯科吗?——确实是一个很好的职业方向。那么,被分配到了辟谣科什么的,是阿良良木君的期望落空了吗?嘛不过只有四个月,加油哦」

「也没有表示不满。虽然确实是出乎我的意料,但是机关内部有它自己的安排吧」

「是因为是试验品吧,卧烟小姐所采取的措施,其中的一项便是这个。阿良良木君可能会觉得期望落空」

「都说了我没这样想」

「对我来说是正合我意。说真的,虽然你来仅仅是职业研修,但是我们终于得到了男劳动力。」

虽然不知道这句话有多少是出于本意,但是怕水的周防,离河的距离是我的几倍之多,并且保持一种「绝不能被水溅到」的容态。虽然还像平时一样面色平静,但是在水边保持着一种警戒态势。

至少在这一次的案件里,周防似乎对于是新人而又年轻的我是很信赖的。把怕水的她派到河边来,辟谣科的科长性格可真差啊。

正如卧烟小姐所想的一样。

「超自然现象灵异现象这种神秘的东西,果然还是女性更容易相信。因为全是女性,这样很不平衡。所以阿良良木君不要客气,好好享受被一群女性包围的感觉吧。」

「这种事在高中时期就做够了」

周防笑了起来

「虽然我并不直接认识卧烟小姐,但是受到了她的恩惠,所以我想取得与这份恩惠相符的成果。虽然这并不是人生一帆风顺的阿良良木警部补的本意,但是请你在任期内协助我们科吧,就当作是为家乡做贡献吧」

这样补充道。

为家乡做贡献吗,虽然我不是那种热爱家乡的类型。并且也不能说是一帆风顺,完全不是。

这个头衔也没什么特别的,通过了国家综合职考试、进入警署以后,不论是谁都会从警部补开始职业生涯。所以在这一点上,父母的内部关系也不是必要的。

并且在这四年里,我也没能过上远离怪异现象的生活——尽管离开了小镇,但我的影子依然会一步不离地跟着我,这个影子是一个会吸引怪异的影子。

理所当然地做着的事变成了工作。不是兴趣变成了工作,而是日常变成了工作。

直江津警署辟谣科吗。

卧烟小姐也为我居住的小镇做了一件了不起的事啊。

因为是什么都知道的人,所以也预测到了以后我会成为警察,因此就选择了我的出身地的直江津警署作为试点设立了辟谣科,我时隔四年再次这样乱想道。

OK

怪异现象的自产自销。

作为二十三岁的大人,粉身碎骨拼命地工作。

幸好,我对粉身碎骨这件事很在行,字面意义上。

「所以——周防小姐。这次是什么谣言来着?这条河有什么说法吗?还没有人向我说明过情况,我就被要求和周防小姐组队过来了……科长对我说「详细的情况去问周防」」

「说话可以更随便一些哟?反正我们的年龄也没差多少,你的头衔还比我高。你是警部补,我是普通巡查员」

「我没办法用随便的口吻说话,因为我很有教养」

「哈哈」

耸了一下肩

「嘛,是这么一回事,这是一条适合游泳的河。夏天的时候,可以家人一起来烤肉,可以作为适合小孩的游玩场所,这里。」

周防小姐说道。

「啊,对于原住民的阿良良木君来说,没必要从这么基础的地方开始说明吧」

「不,如果不说明的话我会很困扰的」

不管怎么说,我连这里有条河都不知道。

很遗憾,教养良好的我,一直过着与被家人带去烤肉、与朋友一起玩无缘的生活。

我一直都在想班里的同学究竟丢下我去哪里玩了,原来如此,是来这种地方玩了。

就算现在知道了真相,这也已经是无可改变的事实了。

在此之前这里一直没有发生过真正的问题,但是这个夏天,相继发生了多起溺水事故——有五个小孩溺水了。

「…………」

「仅是已经曝光的就有五例,实际上可能更多。但是目前暂时没有出现死者。」

但是,这样不平衡。

听了这些话,我再次望向河流。虽然水流算不上激流也算不上急流,但是也无法保证绝对的安全。

刚才周防说「适合小孩」,但是这样看起来,作为小孩的游玩场所真的是太危险了。

怎么回事呢

这只是单纯的「大人的观点」吗?

我变成了无聊的大人,所以对于小孩的游玩场所的标准过于保守了?

「先不管是不是过于保守,实际上,这样的行动已经开始了——人们在考虑,这片河岸,是不是应该禁止进入了。不要靠近。」

楼主 星期亿  发布于 2017-02-04 00:01:00 +0800 CST  
002-2

录入 BID阿良良木海=微博ID小生木海

「公園から遊具が、がんがん消えていくのと一緒ですか」

「それも一概に否定した動きじゃないと、わたしは思うけどね。リスクの高い老朽化した遊具を、それでもいつまでも残して欲しいって思うのは、年寄りの郷愁だわ」

ニ十六歳とは思えない、それこそ、老成した意見だった。

人魚の肉を食べたというだけのことはある一一彼女にとってこの十年は、八百年にも匹敵するものだっただろう。

「年寄りは意見を変えられないものだけれどね。ほら、道路交通法が緩かった頃に作られたクルマは、シートベルトがついてないみたいなものよ。それでも高速道路は走れるってわけ」

その比喩はよくわからなかった。

たぶん、年下の後輩に比喩が通じないジェネレーションギャップを楽しんでいるのだろう。

「一般論はともかくとして、この川に関して言えば、もしも死人が出てたら、問答無用で規制がかかったでしょうねー一その前にシーズンが終わってよかった」

「じゃあ、とりあえず問題はさて置かれたんですか?」

「さて置きじゃなくて据え置きね。死人は出ていないとは言え、五人って人数はいささか重いわ。気持ちにずっしりくるわ。それに、うちー名は重体で、まだ意識が回復していない一一他の四人の中にも、骨折した子もいるし、予断を許さない状況よ」

わたしの肉を食べさせてあげたら回復するんだけどね。一と、周防さんはさらっと、そんな言葉を続けた。

それを言うなら、僕の血を飲ませることでも、意識不明だというその子供は、すっかり全快することだろうー一ただ、それはできない。

するわけにはいかない。

そんな軽挙妄動がどういう悲劇を生むことになるか、周防さんも、僕も、よくよく知っている。

僕達は自分以外の誰かを、死ぬよりも辛い目に遭わせたくはない。

「ま、河川敷にフェンスを張り巡らすか張り巡らさないかは、役場が決めることで、わたし達の仕事じゃないわ。わたし達の仕事は、風説の取り締まりなのだから」

風説の取り締まり。

しっくりこない奇妙な語呂だが、まさしくそれが、風説課の業務内容だった。

僕のお仕事だった。

<!--StartFragment -->
都市伝説。道聴塗説。街談巷説。

そして一一風説。

「溺れた五人の子供のうち、三人までが証言している一一溺れたんじゃなくって『見えない手』に足首をつかまれて、水底へと引きずり込まれたんだって」

「............」

五人のうち三人。

意識不明の子を除くとして、実際は四人のうち三人。

その内容を除けば、数字の上では、信憑性の高い証言と言える。

あるいは信憑性の高い噂——と。

「…河童でもいるんですかね。この川に」

「さあね。あるいは人魚かも」

茶化して言った僕の言葉を、周防さんはそう返した。

ジョークではなかったのか、その表情は硬い。

ハードボイルドな雰囲気さえある。

「少なくとも、子供達の尻子玉は抜かれてなかったみたいだけれど。ただ、今年になっていきなり、水難事故が多発したことは間違いなく——これは、怪談の温床になりかねない」

その前に叩き潰す。

と、周防さんは淡々と言った——暴力的な宣言とは真逆な、ドライな声だった。

乾かなければ生きて来られなかった、人魚の言葉である。

「......周防さん。周防さんは、どうして警察官になろうと思ったんですか?」

社交辞令でも意趣返しでもなく、僕はふと、気になって訊いた。

僕と同じような怪異譚の後遺症で、肉体的に制限が加わってしまっているとは言え、何も警察官になることはなかったはずだ一一警察官になっていなければ、周防さんはこんな風に、水辺に近寄らずとも済んだはずなのだ。

「阿良々木くんってプロ野球、好き?わたし、すごい好きなんだけど」

「え?」

「二軍の試合も見るくらいなんだはれど」

そう応じつつ、意外な趣味に驚きつつも、これはおね一さんにうまく話を逸らされたのかと思ったけれど、違った。

周防さんはこう続けた。

「でも、ドラフト会議とか見てると、結構切なくて。これくらい野球がうまいこれくらい化物じみた選手達が、好きな球団に入ることもできないんだって思つて職業選択の自由ってなんなんだろうなって、いつも思うのよ」

ふむ。

厳密に言えば、拒否権だってあるのだろうから、そう単純な話でもないのだろうけれど、まあ、言わんとすることはわからなくもない。僕も、警察官になるにあたって、一応、あれこれ他の道を模索してみたものの、そのたび、いろんな現実に直面したものだ。

現実。やる瀬ない現実。

怪異に直面するより、それは強固な壁だった。

「人間、なれるものになるしかないのよ。警察官だったり、人魚だったり」

吸血鬼だったりね。

と、周防さんは僕の影を見た。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-04 00:04:00 +0800 CST  
002-2

翻译 BID 标准正交基

「和公园里的娱乐设施渐渐消失是同样的道理吗?」

「我认为这个行动也不该被一概地否定。就算是已经老化而变得很危险的娱乐设施,也希望能一直把它们保留下来,这就是上了年纪的人的一种乡愁吧。」

这样老成的意见,让人觉得她不是二十六岁。

不愧是吃过人鱼肉——这十年对她来说,有着可以与八百年相匹敌的经历。

「上了年纪的人是无法改变意见的。你看,在道路交通法很宽松的时候造出来的汽车,是没有安全带的。就算这样,也是可以在高速公路上行驶的。」

不是太明白这个比喻。

或许,年轻的后辈无法听懂自己的比喻这种代沟,让她很享受吧。

「先不提一般理论。如果这条河里出现了死者,就会不容分说地实行管制了——幸好在此之前适合游泳的季节已经结束了。」

「那么,问题暂且被搁置了吗?」

「不是被搁置,而是置之不理。虽然还没有出现死者,但是五个人溺水还是让人觉得心里沉甸甸的。并且,其中有一人已经生命垂危,还没有恢复意识——在另外四个人中,也有骨折的孩子,难以预测接下来还会发生什么。」

如果把我的肉给他们吃的话,他们就能恢复了。周防干脆地补充道。

这么说的话,把我的血给他们喝也可以让失去意识的孩子马上恢复——但是,不能这么做。

绝对不能这么做。

这样的轻举妄动会带来怎样的悲剧,周防和我都非常非常清楚。

我们不想让自己以外的任何人,遭遇比死还要艰苦的事。

「不过,要不要在河岸周围围上栅栏是公务所该决定的事,不是我们的工作。我们的工作是粉碎谣言。」

粉碎谣言

这个充满违和感的奇妙的短语,正是辟谣科的业务内容。

我的工作。

都市传说,道听途说,街谈巷说。

构成了——谣言。

「在溺水的五个孩子里,三个人有这样的证言——不是溺水而是被一只「看不见的手」拉住了脚脖子并拖向水底。」

「……」

五人中有三人。

除去一个失去意识的孩子,实际上是四人中有三人都如此证言。

先不提内容,仅从数字上看的话,可以说是可信度很高的证言。

或者说是可信度很高的传言。

「有河童吗……这条河里」

「谁知道呢。也可能是人鱼」

对于我开玩笑式的话,周防如此回答道。

表情这么僵硬,不是在开玩笑吗。

有点像侦探小说的气氛。

「至少,孩子的尻子玉没有被拔下来。但是,今年突然发生了这么多水难事故无疑会——这有可能会成为怪异谈的温床。」

要在这之前粉碎它。

周防淡淡地说道——与暴力宣言完全相反的,冷淡的声音。

不冷淡就无法生存,这是人鱼的说法。

「……周防小姐。周防小姐,为什么会想要成为警察呢?」

既不是客套话也不是报复,我只是突然有些在意,才会这样问。

像我一样遇到了怪异并且留下了后遗症,肉体上受到了限制,本来不应该成为警察的——如果不成为警察的话,周防就可以不用像现在这样靠近水边的。

「阿良良木君喜欢职业棒球吗?我非常喜欢」

「诶?」

「不过也仅仅是观看两支球队比赛的程度而已」

这样应答着,并且对这意外的兴趣感到有些惊讶。我以为只是被大姐姐巧妙地岔开了话题,但是我想错了。

周防继续说道

「但是,看到球员选拔的时候我会很伤心。看到球技如此高的选手们却难以进入自己想要进入的球队,我就一直在想职业选择的自由究竟是什么。」

原来如此

严格来讲,有没有拒绝的权利,决定了是不是这么简单的问题,不过,不用说我也明白。我在成为警察的过程中,也摸索了各种各样其他的道路,直面了各种各样的现实。

现实。让人不快的现实。

比起直面怪异,现实是更加难以直面的壁垒。

「人,只能成为自己能成为的人。比如警察,比如人鱼。」

比如吸血鬼。

周防看着我的影子说道。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-04 13:08:00 +0800 CST  
003

翻译 BID标准正交基

严格来说,我是没能成为吸血鬼的家伙。

在正常模式下,没有周防小姐那种程度的不死身……既不能说是人类也不能说是怪异,而是介于两者之间。

如果我这样说的话,周防一定会说“我也只是个半吊子的人鱼罢了”这种自虐的话,所以干脆就不说了。

好了,两个半吊子就这样一直望着河流事情也不会有任何变化。

因为是淡季,所以河岸上只有我和周防两个人,就趁着没人的时候进行调查吧。
既然周防小姐不能进到水里,那么实地调查就只能由我来进行了。

我在树阴里换上了泳装。

作为警察的第一份工作是游泳,这是我绝没有想到的。本来,吸血鬼就不擅长对付水流,不过,这也算是可以忍耐的范围。

工作就是忍耐。

“哇。阿良良木君好强壮啊,怪不得想要率先脱衣服。”

“不是强壮,是体质的原因。”

也不是率先。

“可以拍一张作为彩信吗?”

“当然不能”

说着,我踏入了河流。淡季的好处是这附近的人比较少,但是淡季也有坏处,那就是水冷得要死。

差不多算是在水里行走了。

与吸血鬼有深入接触而来研修的警部补心脏病发作死掉了,虽然让人意外但是也有好处——可以让卧烟小姐名誉扫地,这倒是很痛快,但是我可不想因为这种理由而死掉。

像以前学游泳时教的那样,在水边哗啦哗啦地拍水,溅起来的水拍在身上,我向着更深的地方踏出了脚步。

啊,果然很深。

保守地讲,对于不是巨汉的我(在大学也没有长高)来说,这是相当严酷的任务。

很快我就放弃了,放弃了无谓的抵抗,戴上了泳镜然后弯下了身子。就好像,把小时候没能和同伴一起玩的份补回来一样。

一个人。

“没问题吗?阿良良木君。如果你觉得有必要的话我去帮你?”

并且,很遗憾,在周防小姐看来,我就像是一个处于半溺水状态的家伙一样。

我竖起大拇指(虽然有种被水呛得透不过气的感觉),向周防小姐表示完全没问题——实际上,先不说这丑相,向着河中心前进,一口气潜到水底,也不是什么大问题。

适应了水的温度以后感觉还挺舒服,在清澈的水中也不会让人不安,尽管这绝不是平稳的水流,但是这个隐藏场所无疑是有着娱乐性的。

自然现象特有的无规律的刺激很有趣。

像流动游泳池一样的东西吗?还是反过来,流动游泳池像河流一样吗?

当然,如果不注意的话有可能会在这水流中失足,河底的石头上布满了青苔,有可能会脚下打滑,这个危险度和流动游泳池是有天壤之别的。

就算是这样,但是不负责任的讲,在这里一个夏天发生了五起溺水事故还是让我觉得实在太多了。如果说还有其他原因的话,那也难以否认——但是,与高中时代不同,不能做这种不负责任的判断。

因为已经不是外行人了。

和忍野那家伙、斧乃木妹妹他们不一样,我必须作为一个专业的警察来下判断——虽然说仅仅是在这四个月的研修期间,作为辟谣科的一员。

斧乃木妹妹吗

令人怀念的童女啊

“周防小姐。你说了是小孩,但是具体是多大的小孩啊?我觉得如果是小学生的话,在水浅的地方都没法好好地站稳。”

“最大的十五岁,最小的七岁。让人觉得一点偏差都没有,完全的平衡。顺便说一下,我觉得十五岁的那个孩子比阿良良木君还要高。因为他说在水最深的地方脚也可以着地。”

“受教了”

这样的话干脆什么也别说。

不能作为参考。

我移动到我的脚可以着地的地方,“反过来说,没有十六岁以上的受害者吗”

这样,把已经很明显的事特意说了一遍。

可以理解为只是单纯因为大人不会在河边游玩的时候溺水吗?还是说可以想象成年纪越小的人越容易遭遇怪异现象吗?很难判断。

像我一样在即将升上高三的时候碰上吸血鬼是很罕见的——就算是周防小姐,吃了“人鱼的肉”也是十五岁左右的时候。

通过现场调查可以断定的,只有“无法断定”,但是这种中立主义的话,只有忍野咩咩能接受。

在这种情况下,中立的说法无疑就是对谣言的佐证。

在谣言变成怪异谈之前粉碎它是我的工作,所以如果说“无法断定”的话,就相当于完全没有在工作。

会变成吃空饷的。明明是警察。

“没办法,我把忍叫出来”

“诶?现在?还太早吧?”

我一边登上岸,一边如此说道,周防听了吃惊地看着我。

一边把提前为我准备的毛巾递给我(那时,为了不弄湿身体,我痛快地伸出了手)

“我还想再凭自己的力量坚持一下”

这样说道。

让她失望了吗?但是也没打算逞强的。

“什么事都想凭自己的力量做到的话,会把事情弄得不可收拾的,我十几岁的时候就是这样的。我还是吸取了一些教训的。”

“原来如此。但是要叫吸血鬼出来的话,还是先等等吧。在我面前把那孩子叫出来是不行的,我不想被吃掉。”

啊,是啊。

这一点,科长已经严厉地叮嘱过我了。

周防是人鱼,换句话说,现在她自身就是’人鱼的肉’——先不说这是能使得失去意识的重症患者恢复的灵丹妙药,最起码,这是很美味的肉。

忍和我一样,现在已经不再是吸血鬼了,但是就算不吸人的血,吞食怪异的特性还是完完整整地保留了下来。正是由于这种特性,我才会请她帮忙鉴定这条河里有没有怪异。但是如果变成了美味的肉食盛宴,就不能说是正确的决定了。

在已经与她相处了五年的我看来,忍是不会不由分说地猛扑过去吃‘人鱼的肉’或者说我的前辈的,但是科长和周防抱有警戒心也是很自然的事。

这里不应该敷衍了事。

与基本上给人留下无害印象的人鱼不同,我和忍能这样一直生存已经是不可思议的存在了。

“那我就匆忙地先回警署去了,如果发现了什么事就发邮件给我”

“邮件可以吗?不会泄密吗?”

“消灭秘密什么的,不正是我们的工作吗?如果可能的话我还希望能看到实况转播呢。阿良良木君这么棒的肌肉,要好好炫耀一下”

肌肉什么的怎么样都无所谓。总之,慎重起见,为了确保周防能安全的离开河岸,我过了五分钟以后才蹲下开始敲自己的影子。

毕竟是活了近六个世纪的吸血鬼,生活习性不会在数年间就轻易改变,到现在忍也基本是夜行性。但是除非心情很不好,否则她都会回应我的呼唤。

总觉得今天哪里是心情不好,而是心情特别好,是真空吗(是为了游泳所以换上的,所以应该叫泳裤吗),忍也穿着泳装出现了。

像是专门为了来河边玩而准备的连衣裙泳装一样。

忍露出獠牙笑道。

“‘人鱼的肉’吗。吾确实还没有吃过,究竟是什么味道呢?”

“饶了我吧,不要吃我的同事”

“不吃不吃。我不会把我的主人的职场弄得一团糟,因为这是和我的生活息息相关的事。为了养吾而好好工作吧”

“我不是为了养你才工作的……”

不是这样吗

不如说正是这样

我活着就能让忍也活着,忍活着我也就能继续活着——“如果你明天死,那么我也就只活到明天”

高中时代说的这句幼稚的台词,今天依然有效。

阿良良木历的最优先事项。

“虽说这样,但是你也要工作一下。怎么样?忍。这条河里有怪异吗?诸如河童或者人鱼,再或者说有令人怀念的螃蟹吗?”

“令人怀念吗。这么说起来这个小镇本身也好久不见了——总觉得,变成神的迷路小妹把这里治理的非常好。不过对吾来说这是很生气的事,因为怪灵都非常安静,吾都没有可以吃的了”

“这样吗……那么,在这条河里发生的五起水难事故,终归只是事故吗?”

“不,不是这样哦”

忍摇了摇头。

没有意义的装模作样的动作。

或者,似乎有意义?

“在吾看来,五件中有四件都不是事故而是事件。如果放着不管的话,受害者或许还会增加。”

楼主 星期亿  发布于 2017-02-04 17:31:00 +0800 CST  
004

录入 BID 阿良良木海 =微博 ID小生木海

たった四ヵ月のことだし、研修期間は実家で過ごすことにした。

久々の実家生活である。

と言っても、現在、僕が十代を過ごした阿良々木家に住んでいるのは、長女の阿良々木火憐、ひとりだけである。

三人の子供達の高校卒業を待っていたわけでもないだろうが、次女の月火が大学に入ったタイミングで、県警幹部だった父親と母親は、中央に引き抜かれて行った。

夫婦一緒だから単身赴任とは言えないだろうけれど、まあ、僕が大学二年の春から家を出ていたので、それからは姉妹が二人暮らしをしていたのだが、更にその一カ月後、なんと月火があっさりと大学をやめて、海外の大学に入り直した。

マジかよ。

なんと言うか、まあ、元々日本に収まるスケールの妹ではなかったので、ある意味順当な進路とも言えるのだが、しかし結果として、その後火憐がひとりもゅでこの家に住まう羽目になってしまったことについては、やや心苦しく思っていた。

そう思うんだったらもっと頻繁に実家に帰れよという話でもあるが。

なので、せめてこの四カ月だけは、火憐に優しくしようと決めていた。

ただ、そのあたたかな決意は懐かしの我が家の玄関を開けたところで途絶えたーーひとりで暮らすには広過ぎる一軒家を、彼女は散らかしまくっていたかだ。

家を片付けるのに、三日かかった。

「しょーがね一だろ。あたしは兄ちゃんと違って、去年から働いてんだからよー」

放たれたそんな言い訳を、兄として一応は聞いておいてやった。

土台、一番早く家を出た僕に文句を言う権利はないのだし、こと労働に関しては、火憐は僕よりも先輩である——高校卒業と同時に、彼女は働き始めたのだ。

それも直江津署で。

中学時代から習得していた強烈な格闘技を、いったいどう活かすのかと思つき1ちゃうていたが、まさか逮捕術として活かそうとは......、かつて栂の木二中のファイヤーシスターズで実戦を担当していた阿良々木火憐は、現在、生活安全課の巡査である。

適材適所といえば適材適所ではあるのだけれど、しかし、まさか妹に先を越されるなんて。

カエルの子はカエルじやないけれども、警察官夫婦の長男長女が、揃ってお巡りさんになろうとは、こうなると、月火の自由さが際立つ。いや、何かと兄や姉の影響を受けやすかった、末の妹に欠けていた独立心が、ニ十歳を目前にようやく身についたということなのかもしれない。

「召し上がれ!」

「いただきます」

整理整頓のほうはからっきしだったけど、しかし、少なくともここしばらくの一人暮らしは、火憐に料理スキルを習得させることには成功したようだった。

こうなると、ますます大きなことは言えないし、大きな顔もできない。

四年も離れていたのだから当たり前なのだけれど、なんだか、自分の家じやないみたいなお客さん気分だ。

「で?どうだったの?兄ちゃん。兄ちゃん警部補」

「兄ちゃん警部補って言うな。心から馬鹿にするな。キャリアだぞ」

「不思議なくらいいいイメージがね一よな。テレビドラマのせいかな」

それは我ながら思うところではある。

あれだけ必死に勉強して、大学受験のときの倍くらいい勉強して、それでようやっと国家総合職試験を通ったと言うのに、結果イメージが悪いって......。

大学の同級生からも、権力欲と出世欲の塊みたいに言われた。言われまくった。

気の置けない妹相手でもない限り、自らキャリアは名乗れない。

研修先でも現場の警察官からいじめられるんじやないかと、実のところ、はらはらしていた……、社会人になってまでどうしてこんな思いをしなきやいけないんだ…...、幸い、風説課では、そんなことはなかったけれど、しかし、別の意味でエリート扱いされている。風説課の人間は、ほとんど全員、何らかの形で怪異にかかわり、その身体と人生に怪異を宿しているはれど、怪異そのもの会話、意用疏通ができるのは。

エリート扱いねえ。

高校時代、底辺まで落ちぶれた僕にとっては、やっぱり、あんまり嬉しいとは言えない言葉だ。

「はっはっは。それ受けるわ。あれか。反権力を叫んでいるうちに、いつの間にか権力を持っちまった奴みて一なもんか」

がつがつと、僕の倍くらいのカロリーを摂取しながら、妹が小賢しいたとえを述べたー一身長が、大袈裟でなく僕の倍くらいある妹なので(いや、大袈裟だった。実際は、僕よりほんのニ十センチほど高いだけだ)、ただでさえ基礎代謝の高いところに、生活安全課の名物警察官として大活躍中の彼女は、必要としているカロリーが、僕とはけた違いなのだろう(これは本当に大袈裟じゃない)。

現場の警察官か。

うーむ。

僕がしたかったのは、どちらかと言うとそういう活動だったはずなのだが……・、周防さんが『なれるものになるしかない』と言っていた言葉を、妹の社会性を見ることで、実感する。

僕は妹にはなれないし、妹は僕にはなれない。

「まあ、兄ちやんみて一に衝動と感情で動いいちゃう人間は、現場向きじゃね一んじゃねーの? マホガニーの机で偉そうにふん反り返ってるのがお似合いだぜ」

「妹から言われると、そんなに腹の立つ台詞もないな。衝動と感情のまま、ぼかりと殴りつけたくなって来るぜ」

「お。久し振りに一戦交えますか?歯ブラシなら用意してるぜ」

「やめろ。若気の至りだ」

それに今日は現場に出たぜと、僕はなけなしの主張をした。

エリートの主張だ。

「幸いなことに、風説課は僕を干さずに、ちゃんと便利に使ってくれるらしい。現場に連れてってもらえたし、腫れ物扱いもなしだった」

「ふうん。まあ、あの課は、存在自体が腫れ物みて一なもんだからなあ。アンタツチャブルって言うか。上からの肝煎りだから、署内でもよ かり流れてるぜ」

それこそ風説だ。

臥煙さんの望むところか。

「生活安全課に来たら、先輩として兄ちゃんを可愛がってあげたのになー」

「そんな過酷な目に遭うくらいだったら、他の職を探す」

僕は肩を竦める。

若気の至りの復讐を、そんな形でされたくない......、しかし一方で、実は正直、そうなればいいと思っていたことは内緒だ......、有力な親のコネならぬ有能な妹のコネで、心地よくはないであろう研修期間をつつがなく終えられたらいいのにと、こすいことを考えていた。

くじけてよかった、本当に掛け値なくこすい希望である。

「ちなみに火憐ちゃん。よくわかんね一噂って言ってたけれど、風説課のことを、具体的にはお前はどうとらえてるんだ?」

身長は百八十センチを超え、年齢は二十歳を超えたというのに、僕はいったいの妹のことをいつまでちゃん付けで呼び続けるのだろうと思いいつつ、そう訊いてみる。

何度も直そうとして、とうとう直らないままなのだ。

「んー。地域に流れる不穏な噂みたいなもんを検証するのが、主な仕事だって聞いてるけどな。事件が起こる前に解決するっていうのか…...、悲惨な結果になつたあとで、『事前に相談はあったのに』みたいな悔いが残ることって、ままあるじゃん。そういうのを防ごうってことで、設立されたのが風説課だとか 事件を解決するんじゃなくて、事前に解決する。でも、逆の理解をしてる連中も大勢いたぜ。事件性のなさを立証するのが風説課の仕事だって」

「ふむ」

さすがに怪異がどうとか、妖怪がどうとか、そういう噂までは流れていないようだけれど、なるほど、まるっきりの秘密部署というわけでもないようで前者にしても後者にしても、かなり真実に近い噂が流れているようだ。

適度に漸近している。

その辺も徐々にオープンにしようという試みなのだろうか。

研修に臨むにあたって、四年ぶりに会った臥煙さんは、そんなことを言つていた——どこまで本気なのかと思っていたけれど、どうも、僕が思っていた以上に、この件に対して、あの人は本気だったらしい。

「世を忍んでの専門家業も、そろそろ公の組織に移行する時期が来てるんだよ、こよみん——かつての陰陽師がそうだったように、ある意味、原点回歸とも言。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-04 19:40:00 +0800 CST  
いや、周防さんも述べていたように、これは今に始まった話ではなく、随分前から一一僕と出会う前から一一あの人は、そんなことを計画していたようだつた。

たとえば警察庁のような、公的な組織に対するアプローチも、あの人らしいと言える——組織の上層部を説得するのではなく、怪異にかかわった人間と『友達』になり、下から組織に送り込むという形を取っていたそうだ。

送り込んだ人材がそこそこ偉くなった今、計画が本格的に動き始めたという運びだ——だから、僕がこのタイミングで入庁したことも、やっぱりただの偶然ではないのだろう。

本部からではなく地方の所轄から抑えていくやりかたも、オセロで角を取るような巧妙さだ。

どこまで行っても掌(てのひら)の上か。

まあ、そういう投資の意味合いがあったからこそ、臥煙さんは高校三年生だ た僕に、あそこまでよくしてくれたのだとすると、周防さんじゃないけれど.僕にも返さなければならない恩義は山ほどある。

せめてこの四ヵ月は、立派に勤め上げよう。

できる限りのことをしようハイスクール時代、あれだけ情けないところを見せまくった分を、いいところを見せて挽回したいという気持ちも、もちろんある。

「ほんで? 兄ちゃん、現場ってどこよ?そもそも、実際には風説課って、どういう仕事をしてんのさ?」

「それは捜査上の秘密一一でもないか」

事件性があるなら、たとえ相手が警察官でも、たとえ相手が妹でも、守るべき秘密は守られねばならないだろうけれど、今、僕が担当している案件は、事件性のなさを証明するというものだ。

オープンな課の一員としては、ペらペら話しても問題なかろう。

と言うより、これも必要な事情聴取とも言える一一家庭に仕事を持ち帰るのはよろしくないけれど、十代の頃、僕と違ってバリバリのアウトドア派だった火憐ならば、あの川で遊んでいたはずだ。

その頃の様子を訊いてみよう。

「火憐ちゃん。僕の通っていた直江津高校のそばに、でっかい川が流れてるの知ってたか?」

「なんでもは知らないわよ。知ってることだけ」

「懐かしいな!」

その昔、よく聞いた台詞だ。

そう言えば羽川と結構仲良かったもんな、火憐ちゃん。

「最近は没交渉だけどなー。無理もね一けど。兄ちゃんのところには今でも連絡あるの?」

「ん一、まあ、たまには。最近は……、うん、無理のない程度に......」

羽川の話をすると尽きないので、ついその懐かしさに浸りたくもなったけれど、「で、知ってることなの? 知らないことなの?」と、僕は話を本筋に戻す。「知ってることだぜ。つーか、こないだも課のみんなで泊りがけで釣りに行った」

「............」

十代の頃というか、今もアウトドア派だった。

バリバリ過ぎる。

さすがにそのまま出歩くことはなくなったが、未だに家ではジャージ姿だしな。

そして学生時代と何ら変わらぬ社交性である——羡ましい限りだった。

そして釣りもできるんだ、あの川。

確かに昼に潜ったとき、結構大きめの魚が泳いでいた。

「その川で、水難事故が連続して起きてるらしくって。子供が立て続けに溺れて、変な噂が立ってる。その検証が、僕の初仕事だ」

「ふうん。水難事故か。それは『知らないこと』だったな。知らずにキャンプしちまった。悪いことしたかな?」

「いや、悪いことはしてないだろ」

子供が何人も溺れた場所で楽しくフィツシングなんて不謹慎一一なんて考えかたをしていたら、身動きが取れなくなる。溺れた中には、未だ重体の者もいる以上、確かに配慮は必要かもしれないけれど、生きている以上、どこかで割り切らなくちゃいけなくなる。

「じゃあ火憐ちやん、そのとき、何かおかしなことに気付かなかったか?」

「おかしなことって?」

「んー……、溺れやすいポイントとか、足を滑らせやすい場所とか……、キャンプの最中、誰かが急に休調を要くしたとか……」

なにせ、案件自体が曖昧なので、それにまつわる質問も自然、あやふやになってしまうー竹を割ったような性格のまま成入した火憐には、いまいち伝わりづらかったようで、難しい顔をして、腕組みをした。

「別に何もなかったけどな。めっちゃ楽しく遊んだぜ。……」

「そっか。……参考までに、もうひとつ聞かせてくれ。そのキャンプに参加したメンバーは、同僚だけ? 家族を連れて来た人とかはいなかった? つまり子連れの先輩とか」

「? いなかったよ。みんな大人だ」

そうか。

じゃあ、わかっている限り、やっぱり溺れたのは子供だけか。

忍の言葉を思い出す。

『五件のうち四件は事故ではなく事件』一一いやに具体的だった割に、しかし彼女は、それ以上のことはどんなに訊いても、教えてくれなかった。好物のド ナツで誘惑しても無駄だった。

どうやら忍には忍の基準があるらしい。

人助けではなく、僕助けの基準。

風説課の皆さんは、怪異と意思疎通ができるという点で、僕のことを重用てくれているようだけれど、この分では、その期待に応えられそうもなかった。

そう言えば、五人のうち三人が、『見えない手』で水中に引き込まれたと証言しているのだっけ? 意識不明で入院中のひとりを除けば、四人のうち三人——それは裏を返せば、四人のうちひとりは、そんな証言はしていないという意味だ。

五件のうち四件が事故ではなく事件だとする忍の鑑定を鵜吞みにするなら、五件のうち一件は事件ではなく事故——それが四人のうち、『見えない手』を見ていない子供なのだろうか?

となると、むしろその子の証言こそ気にかかってくる。

『見えない手』を見ているとか見ていないとか、その時点で相当おかしなことを言っているけれど、まあ、怪異譚とはそういうものだ。

それを『子供の言っていること』で片付けずに、きちんと検証する。

既に報告のメールは送っていたけれど、食べ終わったら、改めて周防さんにその方針を告げておくとしよう。

古い革袋に新しい酒のたとえじゃないが、そこは古風な専門家を見習って、足で稼ごうー噂話とは言え、伝聞だけだとびんと来ないこともある。『友達の友達』が誰なのか、こと細かに突き止めようとするような性格の悪さでもあるけれど……。

「なんだよ、兄ちゃん。働くなー。現場に憧れてるのはわかるけど、研修中なんて、のんびり過ごせばよかろうもんなのに」

「折角の地元だしな。ここは土地勘を発揮したいんだよ」

「あんな川も知らなかったのにかよ。それより、昔の友達にでも会って来れば?
羽川さんは月火ちゃん同様に海外にしても、他に会っときたい人とかいねーの?」

羽川の海外と月火の海外とでは、かなり意味合いが違っているのだけれど……、しかし、そう言えば、僕の周囲には、海外に行っちまう奴がやけに多いな。僕の高校時代は日本じゃ評価されない才能に満ちていたのだろうか。

それはともかく、これを機会に会っておきたいI旧知となると……、まあ、さすがにまるっきりいないわけじゃないけど……、今もそうだけれど、昔は考えられないくらい、人付き合いのいいほうじゃなかったからなあ。

友達を作ると人間強度が下がるから。

だったか。

単なる不義理のあらわれでもあるのだけれど、しかし会いたくとも、会うのが気まずい人間もいる。いっぱいいる。

そう思うと、僕はつくづく、ろくな十代を送っていないようだ。

自覚はあったが、再確認だ。

会ったら会ったで、このキャリア野郎と蔑まれるんじゃないかという被害妄想もあったりする——なかなか、故郷に錦を飾るというような心境にはなれない。

なんでこんな潜伏犯みたいな気分にならなきゃいけないのだ。

「そうだな。とは言え、神原にくらい会っておこうかな。あいつ今、どうしてんっけ?体育大学に合格した辺りまでは知ってんだけど順調……にいけば、今頃四年生か?月火みたいにやめてないだろうな?」

「あの人なら、今はドクターを目指してるぞ」

火憐から回答が得られた。

そうか、そう言えばこいつ、羽川よりも神原のほうとこそ仲がよかっなんだっ。

体育会系繋がりで……、そうそう、そもそも僕が紹介したんだった。

そんなこともあったなあ。

しみじみしちやうゼ。

「へえ。ドクターか。じゃあ、博士号を取るために大学院を目指して、再び受験勉強ってわけだな。まあ、僕の憶えている限り、あいつ地頭はよかったから……」

「ああ。ちゃうちゃう、兄ちやん」

なぜか火憐が、関西弁のイントネーションで、僕の思い違いを正した。

「ドクターってのは、そのドクターじゃなくて、あのドクターだよ」

「どのドクター?」

「お医者さんって意味」

「お医者さん?」

楼主 星期亿  发布于 2017-02-04 19:48:00 +0800 CST  
004


翻译 BID 标准正交基

反正研修期间也只有四个月,我决定就住在自己家里了。

时隔很久地再次住在自己的原来的家里。

但是,现在住在这个家里,这个我度过了少年时代的阿良良木家里的人,只有长女阿良良木火怜一人。

也不是为了等自己的三个孩子高中毕业,但是就在次女月火进入大学的时间点上,时任县警干部的父母被调任到中央了。

因为夫妇一起去了所以也不能说是单身赴任,嘛,我在大学二年级的春天从家里搬走了,此后只有两姐妹共同生活,此后又一个月,月火干脆地从大学退学,重新去国外读大学了。

真的假的啊

怎么说呢,嘛,原本就不是能被日本这座小庙所能容纳的妹妹,某种意义上来说这是一条很合适的进路。但是就结果来说,之后火怜就陷入了自己一个人住在家里的窘境,觉得心里有些苦楚。

如果真这么想的话就常回家看看啊。

因此,至少在这四个月里,我决定对火怜更温柔一些。

但是这份温柔的决心,在我一打开令人怀念的家里的门的时候,就消失殆尽了——这个对于一人生活来说过于宽敞的家,被她弄得乱七八糟。

仅仅收拾家里,就花了三天。

“没—办—法。我和哥哥不同,去年就开始工作了。”

火怜给出的这个理由,作为兄长的我就暂且听一下吧。

原本,最早离开家的我也没有抱怨的权利,并且在工作上火怜也算是我的前辈——高中毕业的同时,她就开始工作了。

也是在直江津警署。

从中学时代开始习得的高超的格斗技,究竟会怎样用在工作中呢?莫非是用作逮捕技术吗……过去在栂之木二中的火炎姐妹中担当实战任务的阿良良木火怜,现在是生活安全科的一名巡查员。

可以说是人尽其才,但是,怎么能被妹妹抢先了呢。

也不能说是有其父必有其子,警察夫妇的长男长女都成了警察,这样,月火的自由就格外显眼。不,在各个方面都容易受到哥哥姐姐的影响,在二十岁的关头,一直缺乏独立心的小妹终于学会了独立。

“吃吧!”

“我开动了”

尽管依然完全不会整理内务,但是至少这段一人独居的生活,让火怜成功学会了做饭。

这样的话,就更不能说大话了,也不能摆架子了。

虽说离家四年以后有这种想法也很正常,但是我还是觉得,有种不是在自己家而是在别人家做客的感觉。

“然后?怎么了?哥哥。警部补哥哥。”

“不要叫‘警部补哥哥’,不要发自内心地嘲笑我。这可是我的职业生涯。”

“让人感到不可思议地没有好印象呐。电视剧的缘故吧”

其实连我自己也这么想。

那么努力地学习,比大学入学考试时还要努力,终于通过了国家综合职考试,但是却被说对这个职位没有好印象……

一直被大学的同学评价为热衷于权力和地位的人。

如果对方不是可以无话不谈的妹妹的话,自己连自报职业都不敢。

会不会在研修的地方被现场的警察欺负呢?实际上我曾这样担心过……为什么在成为社会人之前都要这样想呢……幸好,在辟谣科没有这样的事发生,反而,在某种意义上被当作精英了。辟谣科的大部分人都以各种形式与怪异有着联系,身体或人生被怪异附身了,可以与怪异沟通之类的。

被当做精英吗

对于高中时代成绩很差的我来说,不是让人觉得开心的词。

“哈—哈—哈。太好笑了。怎么说来着。叫嚣着反对权力,却成为了掌握权力的家伙。”

妹妹一边大口摄入着几倍于我的卡路里,一边举着这种耍小聪明的例子——身高毫不夸张地讲是我的几倍的妹妹(不,是夸张了。其实,只是比我高二十厘米左右)本来基础代谢就比较高。在生活安全科作为有名的警察大显身手的她,所必要的卡路里也是与我大不相同的(这里真的没有夸张)。

现场的警察吗



我想做的事,一定要说的话应该就是这个吧……看到妹妹的社会生活的成功,我对周防小姐说的“只能成为能成为的人”这句话有了实感。

我不能成为妹妹,妹妹也不能成为我。

“嘛,像哥哥这种容易受到冲动和感情驱使的人,不适合在现场吧?而是应该坐在红木桌子边上一脸得意地挺起胸膛这样。”

“被妹妹这么说的话,也不是很令人生气的台词。有点想就这样受到冲动和感情的驱使来打一架了”

“什么?要久违的交战一场吗?牙刷的话我有准备哦”

“不要。太年轻气盛了。”

我今天可是去了现场的,我无力地主张道。

精英的主张。

“幸好辟谣科没有撩下我不管,而是好好地分配给了我工作。把我带到了现场,也没有把我当成易碎品小心翼翼地对待。”

“哼。嘛,但是这个科本身就像是易碎品一样,或者说是禁止触摸吗。因为受到了上级的照顾,所以警署内也有这样的传言。”

这正是谣言。

这是卧烟小姐所期望的吗

“如果来生活安全科的话,我就能作为前辈好好关照哥哥了。”

“如果真的遭遇这种不幸的话,我宁可去找别的工作。”

我耸了一下肩。

年轻气盛的复仇,我不想被以这种形式进行……但是,说实话,我暗地里觉得这样其实也不错……不是凭借有势力的父母而是凭借能干的妹妹,使我能够平安无事地度过研修期的话也不错,我也有这种狡猾的想法。

没有变成这样真是太好了,这实在是过于狡猾的想法。

“顺便问一句,火怜酱。你刚才说过有一些谣言,对于辟谣科,你具体知道多少呢?”

明明身高已经超过了一米八,年龄也超过了二十岁,我究竟要在叫妹妹的时候加上一个“酱”加到什么时候啊……我一边这样想着,一边问起了火怜。

好多次都想改口,但是终究没有改掉。

“嗯—。我听说主要的工作就是查证在地方上流传着的危险的传言之类的。在事件发生之前就解决掉…...在造成了悲惨的结果之后,‘明明事发之前提议过的’这样的后悔的事经常会发生。据说为了防止这样的事发生,辟谣科就被设立了。不是解决已经发生的事件,而是在事件发生之前就解决。但是,也有很多同事是反过来理解的:辟谣科的工作就是证明已经发生的事件不是事件。”

“原来如此”

果然,“莫非是与怪异有关?莫非是与妖怪有关?”这种程度的谣言还没有传开。但是,毕竟辟谣科不是完全的秘密机构,所以这些与真实情况很接近的谣言已经传开了。

正在以合适的速度逐步接近真相。

这是一次尝试吗,让这一带也逐渐开始接触怪异谈的尝试。

在我即将开始研修时,时隔四年再次相见的卧烟小姐说了这样的话——不知道有多少认真的成分,但是总觉得,对于这件事,那个人的认真程度高于我的想象。

“隐居的专家们向公共组织转移的时期到了。小历历——就像以前的阴阳师一样,在某种意义上,可以说是回归原点。”

楼主 星期亿  发布于 2017-02-05 22:50:00 +0800 CST  

翻译 BID 标准正交基

不,就像周防小姐说的一样,这并不是现在才开始,而是在很久之前——在和我相遇之前——那个人似乎就这样计划了。

接近警察厅这样的公共组织的方法,也可以说是很像那个人的风格——并不是去说服组织的上层人员,而是和与怪异有关的人成为朋友,再送到下面的组织中去,是以这样的形式进行的。

在被送入组织的人才队伍开始壮大的如今,计划正式开始了——所以,我在这个时间点进入警察厅,并不仅仅是偶然。

不是从本部开始而是从地方开始逐步进行控制,像在奥赛罗取角一样巧妙。

一切尽在掌控之中。

嘛,正因为包含了这种投资的意义,所以卧烟小姐为仅仅是高三学生的我做了许多事。这样想的话,不仅是周防小姐,我也有许多恩情需要还。

至少在这四个月里,好好工作吧。

在什么都要尽全力做的高中时代,我落魄的一面经常被她看到,现在就用好好表现来挽回吧,我也有这样的心情。

“真的吗?哥哥,哪里的现场?还有,辟谣科到底是做什么的?”

“这是搜查上的秘密——也不算是吧”

如果真的是事件的话,就算对方是警察,就算对方是妹妹,该保密的就要保密。但是,我目前负责的这起案件,就是为了证明这不是一起事件。

作为公开的科的一员,说的再多也没问题吧。

不如说,这也是必要的情况听取——虽然把工作带到家里也不是什么好事。与我不同,十几岁时热衷于户外活动的火怜,应该在那条河附近玩过。

问问那时的情况吧。

“火怜酱。你知道在我就读的直江津高中旁边,有一条大号的河吗?”

“我并不是什么都知道,我只知道我所知道的。”

“好怀念!”

以前,经常听到的台词。

这么说的话和羽川的关系很好呢,火怜。

“不过最近没怎么联系就是了。不勉强。哥哥现在也有联系吗?”

“嗯。嘛,偶尔。最近……嗯,以不勉强的程度。”

说起羽川的话就会没完没了,并且我也不想沉浸在这种怀念的气氛中,“那么,是知道的事?还是不知道的事?”我又把话题移了回来。“是知道的事哦,最近还和科里的同事们一起去宿营钓鱼过。”

“……”

哪里是十几岁的时候啊,就连现在也依然是户外派。

干劲太足了。

的确已经不会就这样出去活动了,但是现在在家里依然穿着紧身运动衣。

并且热衷于社交生活这一点也和学生时代一样,好羡慕。

所以,那条河也可以钓鱼啊。

白天潜入河中的时候,的确看到有鱼在游动。

“据说那条河最近连续发生水难事故。因为连续有孩子溺水,所以起了一些奇怪的传言。我的第一个工作,就是去查证这件事。”

“哼。水难事故吗。这是‘不知道的事’啊。不知道这件事还去了露营,是不是做了不好的事?”

“不,没有做不好的事。”

在孩子接连溺水的地方钓鱼的确是不谨慎啊——如果这样想的话,就什么也没法干了。在溺水的人中既然已经出现了重症患者,那么的确有必要担心一下,但是既然活着,就要能毫不犹豫地下决断。

“那么火怜酱,那时,有没有注意到有什么奇怪的事?”

“什么叫奇怪的事?”

“嗯……容易溺水的地点呀,容易脚下打滑的地方呀……谁突然不舒服呀……”

不管怎么说,案件本身就很暧昧,因此与之相关的提问也就很含糊不清,一直心直口快的火怜好像没怎么理解这个提问一样,一脸为难地抱着胳膊。

“也没什么呐。玩的很开心哦。……”

“这样啊……为了能作为参考,我再问一个问题。参加宿营的人员都是同事吗?有没有带着家人来的?或者说是带着孩子的前辈。”

“?没有哦。都是大人。”

这样啊。

那么,根据能搜集到的情报,溺水的只有小孩吗。

想起了忍说过的话。

“五件里面有四件都不是事故而是事件。”——非常地具体。但是不管我再怎么问,她也没有继续指教我。用喜欢的甜甜圈诱惑她也没有用。

似乎忍也有忍的基准。

不帮助人,只帮助我的基准。

辟谣科的各位,是看中了我能与怪异沟通的这一点,才重用我的。从这个层面来讲,我没能回应这份期待。

说起来,五人中有三人,都证言说被一只“看不见的手”拖向了河里来着?除去还没有恢复意识目前尚在医院住院的一人,四人中有三人——反过来说,四人中有一人,没有做出这样的证言。

如果完全相信忍的鉴定结果“五件里面有四件都不是事故而是事件”的话,那么五件里面有一件不是事件而是事故——那就是四人里面没有看到“看不见的手”的那一个孩子吗?

这样的话,不如说是更在意这一个孩子的证言了。

不管有没有看见“看不见的手”,在当时都是非常奇怪的话,嘛,怪异谈就是这样的东西。

不要把它仅仅当成“小孩说的话”,要好好查证一下。

报告的邮件已经发送过去了,吃完饭以后,我打算再向周防小姐报告一下那个方针。

也不能说是旧瓶装新酒的例子,有点像是学习古代的专家用脚挣钱之类的,仅仅听传言是无法做到的。从“朋友的朋友”那里听来的之类的,喜欢对事情追查到底的性格也是必需的。

“总觉得,哥哥。很能干呐。我知道你很憧憬去现场,但是研修什么的,明明悠闲地度过就可以的”

“好不容易在家乡。我想好好发挥自己的家乡地理知识。”

“明明连有那样的河都不知道。对了,要不要见一些以前的朋友?就算羽川和月火一样在海外,其他想见的人就没有吗?”

羽川的在海外和月火的在海外,意义完全不一样……但是,说起来,我的周围,去海外的人特别多。我的高中时代难道充满了日本无法容纳的才能吗?

先不说这个,以此为机会想见的人……嘛,也不是完全没有……现在是这样,但是以前可完全不是这种喜欢与人交往的类型。

交朋友会降低作为人的强度。

吗。

也可以说是单纯的不重情义的表现,但是我确实有想见、然而见了以后会难为情的人。有很多。

这样想的话,深切感到,我的十几岁的时代真的不令人满意啊。

我有自觉,再次确认。

见面就见面吧,我还有“会不会被蔑视为职场笨蛋呢?”这样的被害妄想——总觉得,没有衣锦还乡的心境。

为什么一定要有这种逃犯一样的心情呢。

“是啊。说起来,要不要见一下神原呢。那家伙现在怎么样了?我知道她成功升入了体育大学。如果顺利的话,现在是四年级了?没有像月火一样退学吧?”

“那个人的话,现在以成为doctor为目标。”

从火怜那里得到了这样的回答。

是啊,说起来这家伙,比起羽川来,与神原的关系更好。

都是体育会系的……是啊是啊,本来就是我给介绍的。

也有这样的事啊。

万分感慨。

”诶。doctor吗?为了取得博士学位,要以研究生院为目标,再次进行应考学习吗。嘛,在我的记忆里,那孩子很争强好胜……“

“啊。不是咧不是咧,哥哥。”

为什么火怜要用关西腔来纠正我的想法呢?

“所谓的doctor,不是这个doctor,是那个doctor”

“哪个doctor?”

“医生的doctor”

“医生?”

楼主 星期亿  发布于 2017-02-06 16:08:00 +0800 CST  
005

录入 BID 阿良良木海 =微博ID小生木海

かつての知己と久闊を叙そうといっても、我が古里にはおよそ四ヵ月も滞在するのだから、別に急ぐこともあるまいと考えていたのだけれど(こういう考えが、僕の許されざる不義理を助長する)、しかし、入の縁とは不思議なもので、するが翌日、思わぬ形で、僕は高校時代の後輩、神原駿河と再会することになった。

翌日の午前から、周防さんと一緒に、溺れた子供達の家を順番に巡り、話を聞く流れになったのだが——残念ながら、成果は上がらなかった。

既にわかっていたことを再確認しただけだった。『見えない手』を見たという子はあくまで見たと主張するし、見ていないという子は、絶対に見ていないと主張するだけだった。

生の声が聞けたとい、うのが、成果と言えば成果だが(子供の話を聞くのは簡単ではなかったけれど、そこは周防さんがさすがだった)ーーただ、溺れた五人中四人までと会ったのだから、残る一人にも会っておこうといいうことになった。

意識不明で、話ができる状態ではないものの、

「当事者の顔を知っているだけでも、モチベーションは変わるでしょ」

という周防さんの提案には、なるほど、何の文句もなかった。

そんなわけで、最後のひとり(と言っても、溺れたのはその子が、『最初のひとり』らしい)が入院している病院に、お見舞い用の花を買って向かってみると、「おおんと、その足音は阿良々木先輩ではないか!」

と、受付で元気よく呼びかけられた。

さすがに院内でのことだし、高校時代のようにマツハの速度で駆け寄っては来なかったものの、振り向けばそこにいたのは、まごうことなき神原後輩だった。

髪はまた伸ばしたらしく、腰までロングのストレート。

そしてフアツションはナースルックだった。

あれ?僕の情報網によると、神原くんは医者を目指していたはずでは?

コスプレ?

「バイトだ、バイト。アルバイトだ。事務仕事を手伝っているだけだナースでもない。ただ、それっぽい格好をしていないと、職員っぽくなくて紛らわしいとの院の方針だ」

確かに、ナースキャツプをかぶっているわけでもないし、よく見たら、ブラウスにカーディガンを羽織っているだけだった……、それはそれで逆に紛らわしいとも思うのだが、まあ、それもある種の容儀規程か。

僕も研修期間は、背広にネクタイで通すよう言われているしな。

「で……、バイト?」

「うん。学費を稼がねばならんのだ。私も二十歳を過ぎて、おじいちゃんおばあちゃんが、一切、資金援助をしてくれなくなったから」

家賃も払っているのだと、神原は胸を張った。

先輩を先輩とも思わない偉そうな態度は昔ながらだけれど、確かにそこは、大いに胸を張っていいところだろう——僕なんて、大学を卒業するまでがっちり親がかりだったからな。

ともあれ、潑剌とした雰囲気や元気一杯の態度は(あと、偉そうな態度も)高校時代と同じだけれど、当然ながら、ニ十ニ歳の神原駿河は大人びていた——立派に働いているシーンに出くわしたというのが、その印象を強めているのだろうが。

まだ学生だと思っていたのに……。

先を行かれた感が半端じゃない。

「なに。阿良々木くん。知り合い?んじゃ、わたしは先に行っておくから、のんびりとあとから来なよ」

「あ、いえ、周防さん……、ええと、でも、職務中ですし」

「いいからいいから。わたし達は交流も職務。地縁は大切にしなさいって」

反論を許さず、周防さんは僕をその場に押しとどめ、ひとりでさっさと、目当ての子が入院している病室へと向かって行ってしまった。一ありがたくも強引な先輩だ。

「悪いな、神原。お前だって職務中だろうに」

「いや、構わんぞ。ちょうど朝のラッシュも終わって、一息入れようとしていたところだ」

本当にそうなのか、はたまた気遣いなのかはわからないけれど、そう言ってもらえると、いくらか楽だ。

僕の知る、高校時代の神原なら間違いなく前者だろうけれど、しかし、勤労を觉えた彼女ならば、後者ということもありえるかもしれない。

<!--StartFragment -->
とにかく、置いてけぼりを食らった以上、ここは周防さんの勧めに従うことにした——僕と神原は休憩スペースに移動した。僕も多少は先輩ヅラしたかつたので、自販機で購入したジュースは僕のおごりだ。

「阿良々木先輩は、確か刑事になったという噂だったけれど、さっきの美女は先輩か?こっちに戻って来ているとは知らなかったな。電話してくれればいいのに」

「まだばたばたしててな。落ち着いたところで連絡しようと思っていた」

言い訳っぽいし、実際言い訳なのだけれど、そんなことを言いながら、ともあれ再会を祝して、スチール缶で乾杯する。二人共、もうお酒を飲める年齢だったけれど、午前中で職務中なので、さすがに自粛だ。

「僕が刑事になったって、誰から聞いた?」

火憐かなと思ったけれど、

「扇くんから」

との返答だった——ううむ。

じゃあ、僕の情報は概ね筒抜けだと思ったほうがよさそうだ。

「聞いたときはあの人も立派になったものだと、感心したものだ」

「何様だ?」

「こっちで働くのか? てっきり、阿良々木先輩はもう帰って来ないんだと思つていたけれど。帰らぬ入になったのだと思っていたけれど」

「いや、あくまで研修期間で、それからどうなるかは……、帰らぬ人って」

なんとも言えない。

曲がりなりにも国家公務員なので、プロ野球選手の話ではないけれど、自分の行先は自分では決められない。

そこに臥煙さんの計らいも嚙んでくるかもしれないと思うと、尚更だ。

「神原は?なんで医者? てっきり、バスケットボールのプロでも目指すもんだと………、プロバスケットリーグって、女子はまだなんだっけ……でも、実業団とか……」

「あー。バスケットは、やり切った感があるな。今でも趣味で続けてはいる。休日、仲間と」

「仲間ね」

僕が大学生活では、一回も使ったことのない言葉だな。

充実した学生生活、羨ましいぜ。

「ふうん。それにしても医者って、人生という大海において、結構な舵の切りかたしてないか?アスリートからドクターって」

「いや、受験段階からもう考えてはいたんだ。体育大学に入ったのは運動を続けたかったからだけれど、医学部に入ったのは、進路を見越してのことだったし。…… スポーツドクターになりたいんだ」

「スポーツドクター」

って…… 、運動中の事故や故障を未然に防いだり、リハビリトレーニングに協力したりする医者のことを言うんだっけ?

ああ…… 。

そう聞けば、すとんと腑に落ちる。

そうだ。僕がまだ、この町から大学に通っていた頃、神原は旧友と再会していた——試合中の故障で一線からの引退を余儀なくされた、かつてのライバルとの再会。

それは正確には故障ではないけれど、神原自身も、一時、左腕が使えなくなって、コートから戦線離脱していた。そんな苦い体験をしているからこその進路選択か。

なんて立派な。

後輩が眩しくて浄化されそうだ……。

「おっぱいとパンツの話しかしていなかったあの神原駿河が……、これは涙なしでは語れないエピソードだぜ」

「もうちよっと他の話もしていたと思うのだが」

「じゃあ今はもう、BL小説も読んでいないんだな」

「それは今も嗜んでいる」

さいですか。

いずれにしても、なぜ警察官になったのかと訊かれて、『親がそうだったから』と答えた僕とは大違いである——僕には過ぎた後輩だ。

出来過ぎた後輩だ。

偶然会えてよかった。

たとえ今の神原がどういう奴になっていたにしても、こんな気分になることLゅんじんは間違いなかっただろうから、やっぱりいざ会うとなると、逡巡していたに違いない。


楼主 星期亿  发布于 2017-02-07 11:12:00 +0800 CST  

親というなら、神原の母親こそ臥煙さんの実姉なわけで、だとすると僕ではなく神原のほうが、臥煙さんのカードとして動かされていた可能性もあっただろうけれども、どうやらその線はもうなさそうだった。

その縁は、もう切れているようだ。

すっぱり、綺麗さっばり。

認めたくはないけれど、詐欺師の員未泥舟が、臥煙さんを先回りして、そんな厄介な縁を叩き切っていたということらしい——どいつもこいつも、先を見越して動いてやがるぜ。

僕もあんな大人達になれるのかねえ。


「簡単じゃないけどな。既に何度か、くじけそうになってる。このまま、なんらかの形で医療にかかわっていられたらいいのかなとか、そんな現実路線も見えてくる。バスケットだって、さっき『やり切った』とは言ったけれど、単に超高校級と言われていた私が、大学レベルに挫折したというだけのことなのかもしれない」

「……」


「世間は広いよ。戦場ヶ原先輩よりも怖い人なんていないと思っていたけれど、大学に行ってみたら、あの人よりも怖い先輩、ごろごろいたしな……、あの人より好きになれた先輩はいなかったけれど、視野の狭さは実感した」

「……そうだな。変な奴、いっぱいいるよな。世の中」

心から同意した。その実感は、社会に出てからも続いている。

風説課の存在は臥煙さんの目論見だとしても、まさか『人魚の肉』を食べて入魚化してしまった女性がいるなんて、僕は想像もしていなかった。

鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼に血を吸われたことで、どこか自分を特いっしあう別視する気持ちがなかったとは言えないけれど、そんな思い上がりを一蹴する経歴の持ち主が、風説課にはずらりと勢揃いしていた。

十万人にひとりの逸材だって、世界規模で見ればわんさかいるって話か。

「変な奴も、すげえ奴も。オンリーワンの化物は、羽川くらいか」

「ああ」

神原が微妙な表情を見せた。

羽川とは個入的な付き合いが少なかったとは言え、それでも、あいつのことは印象に残っているのだろう。

「あの人、まだちゃんと生きてるのか?」


「生きてはいる——みたいだぜ。死んだら連絡が来ることになってるから」

「どういう人生なんだ」

それを聞くと志半ばで挫折している場合ではないなあと、神原は言った。

張り合う相手が羽川では、普通頑張る気が失せそうなものだけれど、そこはやっぱり、一世を風靡したスターは違う。

ガッツが違う。

高校時代の栄光を思い出に、余生を過ごすつもりはなさそうである

「ところで、阿良々木先輩、病院には何の用だったんだ?」

「先輩、はもうやめろよ。お互い、もう高校生じゃないんだし」

「私にとっては阿良々木先輩はいつまでも永遠に先輩だ」

「本当、過ぎた後輩だぜ」

心からそう言いつつ、僕はこれも縁だと、訊いておくことにした。大きな病院だし、まさかバイトの神原がすべての患者を把握しているとは思えないけれど、意識不明で入院している子供が、そう多くいるとも思えない。

「お察しの通り、仕事で来たんだ。一一つて子、知ってるか?」

「ああ。川で溺れた……、そんな危険な川でもないはずなんだがな、あそこは。私が知っているときとは、様相も変わったのかな」

当然のように知っていた。お前もキャンプ組か。わかっていたことだが。

「警察が来るといいうことは、事件性があると判断したのか?誰かに溺れさせられたとか、突き落とされたとか」

「事件性のあるなしを判断するのが仕事でね。ないんならそれでいいんだ。人が溺れている以上、あろうがなかろうが、『いい』はないのか。……その子の容態は、どうなんだ?」

「私は治療には直接かかわっていないから、なんとも言えないけれど、あんまりよくはないようだぞ。意識を取り戻す兆しはない、と……、まるで魂が抜かれてしまったみたいに」

「魂が一一」

河童が抜くのは尻子玉だったっは。

「これはここだけの話にしておいて欲しいんだけれど、似たような事故が、あの川で頻発していてな。このままだと、一帯を閉鎖しなきやいけないかもしれないんだ。」

「そんな……。だとすると、私達はこれからは、いったいどこで仲間とキャンプをすればいいんだ?」

そういう言われかたをされると、別に閉鎖されてもいいんじゃないかというルサンチマンがむくむくと湧きあがって来るな。

どこで仲間とキャンプするかなんて、考えたこともないし、これからもねえよ。
「だったら阿良々木先輩、どうかそうならないように取り計らってくれお願いしちゃ駄目なのかな」

「お願いする分には構わないよ、希望に添えるとは限らないだけで。それは役場が決めることで、僕の仕事はあくまで捜査だし」

「ふうん。じやあ、役場にお願いに行けばいいのかな」

実際にしかねないから怖い。

アクティブな行動力は、高校時代より、むしろ倍加している。

僕と違って学生時代からの知己が多い彼女なので、役場に就職した友達もいるだろうし——そんなことを思った。まさか、僕の数少ない学生時代の知り合いが、まさしく役場に就職していることなど、このときにはわかるはずもなかった。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-07 11:12:00 +0800 CST  
005

翻译 BID 标准正交基

虽说是与阔别多年的知己叙旧,但是我要在故乡待四个月左右,所以也不是很着急(这么想的话,就助长了我的不重情义)。然而,缘分真的很奇妙,在第二天我就以意想不到的形式,与高中时代的后辈神原骏河相见了。

第二天上午开始,我与周防小姐一起挨个去溺水的孩子家调查,听取情况——很遗憾,没什么成果。

仅仅是确认已经知道的事情。说看到了“看不见的手”的孩子依然主张说自己看到了,说没看到的孩子也坚持主张说没看到。

亲耳听到了这些话也算是成果吧(问小孩话很不简单,这里多亏了周防小姐)——只是,已经见到了溺水的五个孩子中的四个,于是我们决定也见一下剩下的一个。

尽管没有意识,还不能说话。

“就算只看到当事者的脸,也有可能会成为转机。”

对周防的这个提议,我没有异议。

因此,我们到了最后那个孩子(不过,似乎这个孩子是溺水的“第一个人”)所在的医院,在准备买看望用的花时,“哈,这脚步声不是阿良良木学长吗?”

接待室传来了这样的声音。

毕竟是在医院里,不能像高中时代一样以飞快的速度冲过来,但是回头一看,毫无疑问就是神原学妹。

头发又长了,及腰的直发。

并且穿着护士装。

啊咧?根据我的情报网,神原应该是想成为医生不是吗?

cosplay?

“打工哟,打工。是打工。仅仅是来帮忙并不是真正的护士。”只是,如果不这样穿的话,就不像是职员从而造成混乱,这是医院的规定。

确实,也没有戴护士帽。仔细看的话,护士衫和对襟毛衣混着穿……我觉得这才会反过来造成混乱吧,嘛,这可能也是一种仪容规定吧。

我在研修期间也被说要穿西服戴领带上班。

“那……打工?”

“嗯,必须要挣下学费。我也过了二十岁了,爷爷和奶奶停止了对我的一切资金援助。”

房租也是自己交的,神原挺起胸膛说道。

不把学长当成学长的这种骄傲的态度还是和以前一样,但是确实,这是可以昂首挺胸的地方——我的话,直到大学毕业还在用着父母的钱。

不管怎么说,充满活力的气氛和精神饱满的态度(还有,骄傲的态度也是)都和高中时代一样。不过当然,二十二岁的神原已经成了大人——偶然碰见了她在出色地工作的一幕,也加强了这一印象。

明明以为还是学生的……

被超越的感觉不是一般的强烈。

“什么吗。阿良良木君。熟人?那,我先去了,慢慢地聊一会儿再来吧。”

“啊,不,周防小姐……那个,但是,在执行公务。”

“没关系没关系。交流对我们来说也是公务。说了要好好利用乡土关系。”

不容分说地,周防让我留在了这里,自己一个人先行,走向了我们要找的那个孩子的病房。难得的强硬的前辈。

“不好意思。神原。你也在工作中。”

“不,没关系。正好早晨的高峰期也结束了,正想休息一下。”

真的是这样吗?还是有所顾虑?不管怎么样,她能这样说我很高兴。

我所知道的高中时代的神原毫无疑问是前者,但是如果是勤劳的她的话,也有可能是后者。

总之,既然已经被扔下了,我决定接受周防小姐的建议——我和神原去了休息室。我多少想装作学长的样子,在自动贩卖机购买的果汁就由我来请客了。

“阿良良木学长,确实有你成了刑警的传言来着,刚才那个美女是前辈?我还不知道你回来了。为什么没有给我打个电话呢。”

“还有些忙。我想着等安定下来再给你打电话来着。”

像是借口,实际就是借口。一边说着这样的话,为了庆祝再会,两人用易拉罐干杯。两个人都已经到了可以喝酒的年龄,但是毕竟还在上午上班的过程中,还是自我要求严格一些比较好。

“我成了刑警这件事,从谁那里听说的?”

我以为是火怜。

“从扇君那里听说的。”

得到了这样的回答——嗯。

那么,还是认为我的信息已经大致被泄露了比较好。

“听的时候还在想那个人也变得出色了呢,令人钦佩。”

“哪位?”

“在这里工作吗?没错儿,我认为阿良良木学长已经不会再回来了。我认为已经成了不会回来的人。”

“不,至少在研修期间,之后会怎么样呢……不会回来的人什么的”

还很难说。

好歹也是国家公务员,尽管不是职业棒球手的情况,但是自己的去向自己也不能决定。

并且我觉得会被更加卷入卧烟小姐的计划中,更加。

“神原呢?为什么是医生?没错儿,我记得是想成为职业篮球运动员的……职业篮球联盟,女子还没有吧?不过,企业代表队什么的……”

“啊—。篮球啊,觉得好像已经做尽了。现在在作为兴趣继续。假日,与朋友一起”

“朋友啊”

我在大学期间,一次都没用过的词。

充实的学生生活,羡慕啊。

“哼—。但是医生的话,难道不像是在人生的大海里,进行了大幅度的转舵吗?从运动员改为医生。”

“不,在应考阶段就想过了。进入体育大学是想要继续运动,但是进入医学部就是为了以后的前路计划了……想成为运动医生。”

“运动医生”

说起来……是防患运动中的事故和故障于未然,协助进行康复训练的医生吗?

啊……

听了这些,我一下就理解了。

是啊,当我还在从这个小镇出发去大学的时候,神原和旧友再会了——与因为比赛中的故障不得不从一线隐退的、过去的竞争对手的再会。

虽然那不是真正的故障,但是神原自己,也有一段时间,左臂不能用了,离开了球场。正是因为这样辛苦的体验才会选择这样的前进道路吗。

多么伟大

后辈如此耀眼,感觉要被净化了……

“只会说欧派和胖次的那个神原……这是不得不含泪叙述的故事啊”

“我觉得我应该也说过一些别的……”

“那么现在,已经不读BL小说了吗?”

“现在也很喜欢。”

原来如此。

不管怎样,与被问起为什么成为警察的时候,总是回答“因为父母也是”的我大不相同——远远超过我的后辈。

比我出色的后辈。

能偶然碰到真实太好了。

不管现在的神原成为了什么样的人,都一定会有这样的心情。果然一到了见面的时候,就会变得犹豫。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-07 16:49:00 +0800 CST  
为什么一个神原能炸出这么多人

楼主 星期亿  发布于 2017-02-08 01:29:00 +0800 CST  

说到亲人的话,因为神原的母亲是卧烟小姐的亲姐姐,所以相对于我,神原被卧烟小姐当作棋子来使用的可能性更大。但是现在看起来好像没有这回事了。

这份缘分,已经被切断了。

利落地,整齐地。

虽然不想承认,但诈欺师贝木泥舟好像在卧烟小姐之前,就将这段麻烦的缘分切断了——不管是谁,都是预见了未来而行动。

我能变成那样的大人吗?

“也不简单呐。我也灰心过好多次。这样,以各种形式与医学发生联系真的好吗,我一直在考虑。虽然刚才说过‘篮球我已经打完了’,但是到了大学以后,我发现我也仅仅是高中级别的水平。”

“……”

“世界很大,我一直以为比战场原学姐还可怕的人是不存在的,但是到了大学我才发现,比学姐可怕的人太多了……虽然没遇到比学姐还要喜欢的人,但是我依然感到了世界的宽阔。”

“……是啊。奇怪的家伙,有很多啊,世界上。”

从心底感到赞同。这份实感,进入社会以后还在继续。

尽管辟谣科的存在本身就是卧烟小姐的计划,但是竟然有吃了“人鱼的肉”而人鱼化的女性,我完全没有想象到。

被铁血的热血的冷血的吸血鬼吸血而觉得自己很特殊,这种心情也不能说没有。但是有着这种值得骄傲的体验的人,在辟谣科有很多。

就算是十万人中仅有一个的奇才,考虑到世界人口的话实际上数量也是很多的。

“奇怪的家伙也好,厉害的家伙也好。独一无二的怪物,只有羽川吗。”

“哎呀”

神原露出了微妙的表情。

虽然她与羽川来往的时间不多,但是依然对那家伙有印象吗。

“那个人,还在好好地活着吗?”

“活着是活着——似乎是吧。如果死了的话应该会接到通知的。”

“什么样的人生啊。”

听了这些以后不应该半途而废、垂头丧气,神原说道.

如果竞争对手是羽川的话,一般都会立马失去干劲,果然,风靡一时的明星就是不一样。

精神力量不同。

想到高中时代的光荣事迹,就没有继续度过余生的打算了。

“说起来,阿良良木学长,来医院是做什么的呢”

“还是不要叫学长了。我们都已经不是高中生了。”

“对我来说,阿良良木学长是永远的学长。”

“真是的,果然是优秀的后辈。”

打心底说着这样的话。在这里相遇也是一种缘分吧,于是我开始询问她。虽然我不认为打工的神原能把握住如此大的医院里的所有情况,但是我也不认识因为意识不明而住院的孩子有很多。

“正如你想的那样,是因为工作而来的。……这样的孩子,你知道吗?”

“啊。溺水的啊……明明那条河流不是很危险的,那里的样子与我知道的相比发生变化了吗?”

也知道这条河吗。你也是户外组的吗,虽然我本来就知道。

“既然来了警察,那么可以认定这是一起事件了吗?是被迫溺水的吗,难道是被人推下去的吗。”

“判断这是不是一起事件就是我们的工作。如果不是的话就好了。虽然在有人溺水的情况下不应该说’就好了’……那个孩子的情况,怎么样?”

“我没有直接参与治疗,所以没法说。但是似乎情况不乐观。还没有恢复意识的征兆……就好像被人抽走了魂一样。”

“魂被——”

河童把尻子玉拔掉了吗。

“虽然想让这件事到此为止。但是,类似的事故在这条河不断发生。再这样下去的话,说不定就要封锁这一带了。”

“怎么会……如果这样的话,我们从此以后,要和同伙去哪里野营呢?”

这么说的话,我突然起了“封锁了也不是什么坏事”的怨念。

和同伴去哪里野营,这种事从来没有想过,今后也不会去想。

“那么阿良良木学长,我能不能请求你采取一些措施来避免这样的事发生呢。”

“仅仅是愿望的话没问题,但是不要报以希望。这是办事处该决定的事情,我的工作说到底也只是搜查。”

“哼—。那么,只要去办事处请愿就可以了吧。”

真的有可能会这样做,好可怕。

高涨的行动热情,比起高中来,不如说是又增加了。

与我不同在高中时代朋友很多的她,说不定有在办事处工作的朋友——我这样想。那时的我完全没有想到,我学生时代为数不多的朋友中,竟然真的会有人在办事处工作。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-08 18:30:00 +0800 CST  

「うちの課、ムードメーカー不在だからねえ。だから、あの子のお兄ちゃんである阿良々木くんには、期待を寄せていたんだけれど」

「悪かったですね。ムードブレイカーで」

「いえいえ。んじゃま、気は進まないけれど、火憐ちゃんを見習って、わたし達もフィッシングとしゃれ込みましょうか」

そう言って、周防さんは上着を脱いだーーそれを脇に立つ僕に渡し、続けてその下のシャツも、タイトなスカートも、ストッキグンもガーダーべルトも。

まるでここが自宅の風呂場であるかのような、気楽な脱衣だった。

あらかじめ聞いていたとは言え、その堂々たる振る舞いに、こっちがあたぶたしてしまう——昨日、こそこそと木陰で着替えた自分を、みっともなく思うほどの、堂々たる態度だ。

もっとも、さすがに周防さんは、下に水着を着て来ていたが。

水着は昨日、忍が着ていたのと同じようなワンピース水着だったけれど、さもむきすがに幼女が着るのと成人女性が着るのとでは、かなり大胆に、趣が違った。

最後にハイヒールを脱いで、ぐいぐいと、準備体操を始める「わたしが、餌になろう」

その台詞はたぶん、スイミーが絵本の中で言う『ぼくが、目になろう』をなぞったものだろうが、今回の作戦を、一言で雄弁に言い表していた。そう、『人魚の肉』を食べて人魚となった彼女は、全身くまなく、美味の塊である。

彼女を前には吸血鬼を呼び出せないほどに。

昨日は僕が川に踏み入ったけれど、今日は周防さんが潜水することで、(いるのならば)怪異をおびき出そうという算段だったー一『人魚の肉』が美味なのは、何も吸血鬼に限った話じゃない。

あらゆる怪異にとって、人魚は食材である。

不老不死でなければ、乱獲されて、とっくに絶滅していただろう。

そういう意味では、人魚そのものである周防さんは、六百年生きた吸血鬼よりも、貴重種と言えるのかもしれない——もちろん、彼女にとっては、気が進まないどころのプランではない。

人魚となって怪異をおびき出す、己を撤き餌とするかのようなこの作戦は、かつて彼女が忌み嫌った『半魚人』となることが前提である一一昨日、あれだけ水際から距離を取っていたことからもわかるように、それは周防さんにとつて克服したトラウマとは、まだとても言えない。

「そうね。何回、自殺しようとしたかわからないわ。死んでもすぐに生き返るから、それも嫌になっちやったけれど……」

「……不死身の吸血鬼の死因の、九割は自殺だそうです」

「そ。死ねるなんて羨ましいー一と、昔だったら、思ったでしょうね」

周防さんは肩を竦めた。

オフショルダーの水着なので、肩を竦める動作が、必要以上によくわかる。

「身体の半分が魚になるって、要するに、退化するってことだからねリアルなサメ肌になるとか、デリケートだった頃は泣きそうだったわ。泣いたらその涙で、また鱗が増えちゃうから、デリケートでなくなることで、我慢したけど。最初は鱗を一枚ずつ剝がしてね。でも、それで出血したら、また鱗が増えちゃう。身体の半分が魚で、肉体の七割が水なんだから、如何ともしがたかったわ」

「…………」

「あ、ごめん。自虐ネタ、引いちやった?いいのよ。そんな辛い思い出を、今は仕事に活かすことができるんだから。長所を活かせる仕事も大切だけど、短所を活かせる仕事もいいものよね一一もちろん、自分を生き長らえさせる仕事も」
言いながら、準備体操を終えた周防さんはすたすたと、川べりのほうへと近付いていく——その足取りには、もう迷いはない。覚悟は決まっているらしい。

代われるものなら代わってあげたい気持ちもあるが、残念ながら、昨日の結果を受ける限り、吸血鬼じゃあいい餌にはなり得ないようだった。怪異殺しで、その存在自体が怪異を招きかねない存在だった鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼は、裏を返せば、あらゆる怪異から忌避される存在でもあるわけで、怪異を餌とすることはできても、怪異の餌になることはできない。

僕にできることは、見守ることだけだ。

「はい。阿良々木くん。この端っこ、持っといて。何かあったら、引っ張ってね」

自分の身体に複雑に縛りつけたロープを、周防さんは僕に手渡した。釣りというか、こうなると鵜飼いのようでもある。

単に胴体を縛るだけでなく、五体のあちこちに絡めるようなややこしい縛りかたをしているのは、肉体が人魚化したときに、すっぽり抜けてしまうようではロープの意味がないからだろう。

そういう想像をすべきじゃないだろうけれど、神原と会ったばかりだからそう思うのか、なんだか、『駿河問い』みたいな縛りかただ……、そんなロープの端を渡されたら、色んな意味で緊張する。

僕が周防さんを拷問にかけているようで、目撃者がいないことを祈るばかりだ、もしも通報されたら一一大丈夫か、僕達が警察だった。

実感わかないなあ、まだ。

「頼むよ、警部補」

そんな僕の心中を読んだかのように(読まれたよしたら恥ずかしい)周防さん。

「目をそむけたくなるような姿かもしれないけれど、しっかり目を開いて、目を逸らさずに見て。もしもわたしが——人魚が餌となっても何も現れないようなら、ただの事故だって結論づけられる。それであの子の意識が戻るわけじゃないし、怪我した子の骨がいきなりひっつくわけでもないけれど、少なくとも理不尽は消える。次の被害者は出ないと自信をもって保証できるんだから。未来を失ったわたし達が、見えない未来を守ろう」

「……了解しました」

「よし。ついでに言っておくくと、わたしに何かあったら、無理に助けようとはせず、署に報告して。どんな最悪の事態が起こっても、わたしは死なないから。ここが川である以上、より危険なのは水をフィールドとする人魚よりも、流れる水を苦手とする吸血鬼なんだから。心置きなく見捨てて」

とてもついでに言うようなことじゃなかったけれど、それについては僕の了解を待たず、有無を言わさず、「んじゃまっ!」と、周防さんは水面へと飛び込んだー一かつて有望な水泳選手だったという触れ込みを裏付ける、とても美しい、流線形のフォームだった。

楼主 星期亿  发布于 2017-02-09 17:47:00 +0800 CST  

楼主:星期亿

字数:103663

发表时间:2017-02-04 07:53:00 +0800 CST

更新时间:2020-10-08 18:37:34 +0800 CST

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